永井荷風 新潮社 1951年 400円
皆さんご存知?の超有名な小説です。大昔の作品です。遊郭赤線好きであれば勿論読んでるだろ!的な本だと思いますが、たぶん有名なのは東京と東京に憧れてる人の間だけだと思います。だって東京の人間が書いたって感じの作品なんですよ。私は、5~6年くらい前にある人からこの作品がいかに素晴らしいかという講義?を受けたことがあって、その人は「買うなら新潮文庫がいいのです。なぜなら挿絵が入っているからです。それから作後贅言が入っているからです」とかマニアックなことを言っていた。なんだか良く解らんけど、聞いたとおりに新潮版を買ったよ。読んだけど、主人公の陰キャのおっさんが玉の井の女郎屋の女に入れあげる話だったよ。まあ、それはそれで面白いかもしれないけど、なんか主人公が本の中で本を書くという2重作品みたいになってたよ。
意味わからん人は読んでみてくれ。短いからすぐに読めるよ。えー、で、内容はそんな感じで、なんとなくジメっとした陰キャの空気はよく伝わってきたよ。確かに挿絵も陰気な感じのだったよ。ネットに溢れているレビューには、必ず「木村荘八の絵が素晴らしい」とか、「挿画が世界観を深めている」とか書かれているので、まあマニア的にはこの謎の絵が重要みたいですな。で、講義してくれた人に「永井荷風て何者なのか?」って聞いたら「ただの金持ちのおじさんです」って言ってたね。なんじゃそら(笑。
映画にもなっています。
映画はセリフとかが原作通りに忠実に再現されているのですが、ストーリーは軽く違っています。たぶん、映画にするにあたって「墨東奇譚」+「断腸亭日乗」にしたんだろうけど、私は断腸亭日乗を読んでいないので、詳しくは何とも言えませんなあ。とりあえず墨田ユキの体がめちゃくちゃ美しいという、そんな印象でした。津川雅彦の演技や語り部分も、賢い金持ち暇人っぽくて悪くなかったよ。それから楼主の息子が墨田ユキで童貞を切るという、原作にはない映画版独自の重要な役回りなんですけど、こいつ最後まで一言もセリフないんだわ(セックス中の声にならない声のみ)。ちょっと監督やりすぎだろ(笑。
【完全無修正版/HDリマスター】てのも出ていますが、違いは、墨田ユキのマン毛が見られるかボカシが入っているかの違いみたいです。私はマン毛の方はみてないんですけど、見た人によると処理してないボサボサらしいです。監督から剃るなって指導されたのだろうか。なお、ボカシの有無にかかわらずR15指定の映画です。エロシーンがありますので。
https://amzn.to/2OFddkx1960年に映画化されてるのもあります。こっちは見ていないです。詳しくはwikiをどうぞ。