ペレストロイカにおけるモスクワの娼婦たち(新装改訂版)

By | 2019年12月20日

ペレストロイカにおけるモスクワの娼婦たち(新装改訂版)

山田日出夫 山手書房新社 1990年 1200円

文学かと思わせるタイトルと表紙ですが、旧ソ連の売春婦事情について書かれた本です。まだロシアがソビエト連邦だった頃の本です。この本が、どういった目的・経緯で書かれたのかは不明です。ちょっと調べてみましたが解りませんでした。なんか難しいことが書かれていそうですが、そうではなくて、高校生の作文みたいなまったりした文章&内容です。

著者は商社マンか何かで、仕事で4年ほどモスクワに居たみたいです。その間に自らが見聞きしたものや、人から聞いた話など、幾つものケースに分けて売春婦の実態が書かれています。その背景についても独自の分析がなされており、これも作文のようなテイストで書かれています。

簡単にまとめますと、ソ連に行くことになった。まさかマルクス・レーニン主義のソビエトにおいて売春など無いだろうと思っていたら、実はめちゃくちゃ沢山あった。何故なのか興味がわいたので実態を見聞きした。そしてそれをまとめて本にしたよ……的な本です。エロ行為の描写は無いのですが、なかなか興味深いです。

なお、著者は所謂「綺麗好き」(アンチ売春)です。自分では絶対にプレイしません。そのくせ話を聞くためだけに売春婦を買い、友人にしつこく買春の話をせがむという、野次馬根性全開の男です。話を聞くためだけに買った女を、体を使わずに稼げてよかったと評したり、「KGB」と囁いてからかったり、だいぶ上から目線で売春婦を見下しています(笑)

しかし、ソビエトの売春について書かれた本なんて、これ以外に見たことないな。読んで、物と自由の無いソ連の恐ろしさもさることながら、便所売春は想像してちょっと興奮しました。

今の若い世代の人にはペレストロイカ、ソ連崩壊と言われてもピンとこないかもしれませんが、私が子供の頃はドイツがまだ西と東に別れている頃でしてね。ベルリンの壁のかけらを貰って今でも持ってるよ。日本にコンクリートの塊送ってくるとか、当事者からしたら凄い嬉しかったんだろうな。