歌舞伎町案内人

By | 2018年5月26日

歌舞伎町案内人

角川書店 李小牧 2002年(文庫本は2004年) 1400円

だいぶ前に「歌舞伎町案内人」という作品と著者の「李小牧」がメディアで盛んに取り上げられていたような記憶があります。読んだのは旬をだいぶ過ぎてからなんですけど、思ってたのとちょっと違った感じでした。いい意味で。

まず、著者のリーはただの中国人民であって、マフィアやギャングではないです。バブルの時代にジャパニーズドリームを求めてやってきた男前の貧乏中国人なのです。そいつが歌舞伎町で中国人観光客相手にお店の紹介を始めて、気が付けば歌舞伎町に精通している人間として有名になっていた…ということなのです。

ですから、溝口敦の書いた本みたいなリアルでスケールの大きなワルや裏社会の話を求めてる人には、ちょっと期待外れに終わります。タイトルはそれっぽいのにね。

そんで、なんでここで紹介するのかというと、歌舞伎町のことがいろいろ書かれているってのもありますが(当時の歌舞伎町は風俗店が今よりはるかに多く、風俗街としてのイメージが強かった)、そんなことよりリーの性欲が半端ないんです。女とやりまくってて、それを開けっぴろげに語るんですな。でもプレイはノーマルで体位は正常位で人種はアジア人でないとダメみたいです。リフレッシャー的にも読めば満足いくような感じなんですよ。ただのアウトロー本なら紹介しませんわな。

リーのこういったところをさらに読みたければ「歌舞伎町の中国女たち」という本があるので、それをお勧めします。とくべつ面白い話はないけど、ただただリーの真っ直ぐ一直線な性欲に圧倒されますw

この「歌舞伎町案内人」ってのがリーの処女作で、そのあと何冊も歌舞伎町の本を出しています。ただし、書いてることは似たり寄ったりです。(こいつの本を全部読んだわけじゃないけど、違う本でほとんど同じ事書いてる部分が多々ある)。それから中国人なのになんでこんな日本語上手なんだって、もちろん書いてるのは日本人で、本人は話を提供しているだけです。書く人が変わると同じ題材でも違う本みたいになるから一粒で何度もおいしいんだね。売る方も読むほうも。

あと映画化されてますけど見てないのでどんなんかは知りません。山本太郎とチューヤンが出てるみたいです。

リーもまたジャパニーズドリームを体現した男だと思うよ。自分の産まれた国、中共では100%絶対にできないことを日本に来てやったんだから。今では日本人だけどね。

それからどうでもいいけど、リーがオーナーの店(中華料理店)が歌舞伎町に今でもあるんで、気になる人は行ってみたら。