セックスボランティア

投稿者: | 2012年10月14日

セックスボランティア

河合香織  新潮社 460円 2006年(単行本は2004年発売)

障害者はセックスするのか、オナニーするのか、出来るのか、それをサポートするボランティアは機能しているのかそれらの実態を追ったルポルタージュ。著者は健常者の女性で、ボランティア団体の人間でもなく、自分も試しにボランティアをしたりするわけでもない。ただのライターである。内容は、障害者数名への取材、オランダの事例の取材、障害者向け風俗店、風俗嬢の取材などで構成されている。風俗色は強くないが、かなりグロいと思われる描写もある。全体を通して、著者自身は、障害者へのセックスボランティアという問題に明確な解答をだすことは出来ず、自らの心境も「障害者の性とは何か」ではなく「性とは何か」を探究していくという立ち位置に変化していく。私には是非はわかりませんでした。性は奥深いものであることに気付きました。ということか(おいおい・・)。「最期に誰にあいたい?」との問いに「ソープランドのきょうこさん」と爺さんが答えるラストが鮮烈だ。