玉井次郎 彩図社 2014年 590円
吉原ソープのボーイとして8か月働いた50歳の男(妻子持ち)の仕事体験記。ノンフィクション。
男は東日本大震災で金銭的ににっちもさっちも行かなくなり、東スポのソープの男子従業員募集の広告を見て東京まで出稼ぎに来る。 そして吉原の総額8万の店でボーイとして働くのだ。
内容としてはですね、業界特有のギリギリの人間ドラマ話はさほど出てこない。 経営や店長クラスのマネジメントに関する話も出てこない。ソープ嬢に関する話もほぼ出てこない。 一番下っ端のボーイとして入店した時から辞めるまでの店での仕事や寮での出来事が時系列で書かれている。
本文は形式段落だらけで、作文か日記を読んでいるような感覚。だが、気取ってなくて嫌悪感無く読める。 男は働きながら、仕事の様子や思った事などを携帯のメモ帳に記録していたらしい。 そしてソープを辞めてから、それをまとめて小説にしようと思って 出版社に原稿を送ったが没になって、彩図社からノンフィクションならと言われて、こうして出版されることになったらしい。
特に凄い話が書かれているわけではないが、業界に興味好奇心があり、リアルノンフィクションが好きな人なら。