娼婦たちから見た日本

By | 2014年11月11日

156

娼婦たちから見た日本

八木澤高明 角川書店 1,700円 2014年

5章に分かれており(「章」では無く「景」という漢字があてられている)、全部で300ページくらい。 単行本なので文字はでかくて読みやすい。 それぞれの章に、黄金町、渡鹿野島、真栄原、からゆきさん、じゃぱゆきさん、の事が書かれている。

もるだの何とかって変態サイトから来た人は知ってると思うけど、 からゆきさんってのは日本から外国に輸出された日本人娼婦のことで、じゃぱゆきさんは外国から日本に輸入された外国人娼婦のことね。

えー、で、著者は確か写真家だったと思うので、名作「黄金町マリア」みたいに写真が沢山載ってんのかと思ったら文章だけでした。 今作は文章で勝負するみたいですね。

私は、Gダイアリーや実話ナックルズ(だったかな)とかの雑誌で、これら5章の元ネタになっていると思われる著者の取材記事を読んだことがあるので、 単純にそれらを焼き直した内容だと思っていたんだが、どっこいそうでは無くてね。読み応えのある本だったよ。

まあ、詳しくは読んでもらうとして、ルポって言うのかな。 インタビューやら取材を軸に色町に付随する歴史なんかも織り込まれている。 目次を見る限り話のスケールが狭いようなんだが、読むと視野が結構広い。 大宅賞(大宅荘一ノンフィクション賞)候補と言えば言い過ぎだが、なんしかそんな系統の本だな。

ポイントは著者がチンコを駆使する人であるということ、それから、からゆきさんについてと、じゃぱゆきさんのアニータについて書いている事だろう。 アニータってのは日本人に10億以上貢がせた伝説の売春婦な。アニータとからゆきさんについての書物はほとんど無いので興味深い。 そもそもアニータに興味を持って地球の裏側まで会いに行くってのが普通の脳味噌じゃないぞ。 からゆきさんはサンダカン8番娼館って凄い本はあるけど(これは大宅賞とってます)。

個人的には、この著者の根底にあるのであろう「想い」が好き。この独特の。魂だと思う。解り易く言うとテーマかな。 それが自然と、考えなくてもごく自然と著者の人生の中にあって育っていってるんだろうね。たぶん。

しかし、ラストの秋葉原がいただけなかった。めっちゃ無理やりでつまんない終わり方だったよ。